Challenge
地域のこと
未来の農業人とともに育つ。岩塚製菓と新潟県農業大学校、3年目の取り組みがスタート
新潟県農業大学校の学生さんと、環境配慮した多収栽培の栽培実証したお米を買い上げ、岩塚製菓のおせんべいの原料とするプロジェクトが3年目を迎えました。
1年目、2年目にこのプロジェクトに加わってくださった学生さんは、環境負荷が少なく、かつ美味しくて収量の多いお米作りに挑戦してくれましたが、今年度の学生さんはどのように参画してくれるのでしょう。
2026年3月、まずは岩塚製菓のおせんべいづくりにかける想いやこだわりを知っていただくため、岩塚製菓本社・工場の見学を行っていただきました。
農業の未来とともに成長していくための取り組み

本社の見学はこのプロジェクトの目的について整理するところからスタート。プロジェクトを動かし始めた2024年は、お米の価値向上や未来の農業人が安心して生産活動に臨めるようにすることを活動の意義として捉えていましたが、2025年からお米の価格が急騰したため、お米の生産者と加工を担う岩塚製菓が連携し、安定した生産・加工・流通を目指すためのプロジェクトへと変化していきました。
国産米にこだわる意味を伝える
プロジェクトに携わる学生さんには動画やショールームの見学を通じて、岩塚製菓のこだわりや想いについて学んでいただきました。
岩塚製菓は、農家の収入が途絶えてしまう冬場に出稼ぎに行っていた地域に仕事を創出し、雇用を生み出すため立ち上げられた会社であることを紹介。「地域のために」という想いを携えて成長してきたことを知っていただきました。
「農産物の加工品は原料より良いものはできない」という考えのもと、原材料にはこだわり抜き、日本のお米を100%使用していることを説明。コストはかかりますが品質を第一にしていることをお伝えしました。

また、この日は奇しくも3月11日。中越地震で被災した岩塚製菓が、東日本大震災ではサポート側にまわり支援活動をしていたこともお伝えしました。岩塚製菓は2011年に南相馬の小学校とコラボレーションをして新商品「バタしょっと」を開発しています。その後も当時の小学生と長年交流を続けてきました。開発の経緯は、学生の皆さんの興味をひいたようで、たくさんの質問があがりました。
お米が美味しいおせんべいになるまでを知る

お昼休憩を挟んでから、いよいよ工場見学へ。この日は飯塚工場と沢下条工場の2つの拠点を見ていただきました。
飯塚工場では、焼成前のおせんべいの生地を作っています。まずはお米を洗浄、浸漬し、商品にあった粒度に挽いていることを説明。見学のタイミングでは「岩塚の黒豆せんべい」を製造していたため、ザクザクの食感を生み出すために比較的荒い状態に加工した米粉をお見せしました。

米粉は蒸し上げて団子にします。蒸したての米粉の柔らかい香りが漂い、一同ほっこりした気持ちに。お米の風味をしっかり感じられる団子も試食していただきました。


こだわりの黒豆は蒸かした後に生地に混ぜ込みます。成形をした生地はしっかりと乾燥させ、次の焼成工程を担う沢下条工場へと運ばれます。

沢下条工場へ移動した一行には、おせんべいを寝かせる工程から見ていただきました。乾燥させた生地は丸1日以上寝かせることで、生地のなかの水分が均等になり、どこをかじっても歯ごたえの良いおせんべいになるのです。


じっくり乾燥させたおせんべいはいよいよ焼成工程へ。三段階で焼き上げることで食感を良くするだけでなく、美味しそうな焼き目を付けることができます。

味つけをした後は、包装工程へと進みます。ロングセラー「味しらべ」は安定生産のために機械化を進めました。稼働して間もない、新しい機械も間近で見ていただきました。

もち米をつかった大人気商品「田舎のおかき」もご覧いただきました。ふっくらと仕上げるために生地の表面にある加工を施していることなど、岩塚製菓の高い加工技術を紹介することができました。

最先端のカメラ技術や金属探知機などを用いて、異物混入や不良品などを取り除いたおせんべいは、包装され発送工程へと進みます。運搬、発送のためには大型ロボットを用いており、ユニークな動きをするロボットに学生の皆さんは興味津々でした。

見学後には質疑応答タイムを設けました。1日あたりの出荷量や設備のメンテナンスのタイミング、新商品の発売時期、歩留まりや従業員の構成など、質問の内容は多岐に渡り、皆さんの関心の高さが伺えました。
岩塚製菓では皆さんの想像よりも多くのお米を使っていることをお伝えすると、岩塚製菓がお米農家の皆さんにとって、一大パートナーであることを感じていただけたようでした。

最後に、学生の皆さんが見学を通じて感じたことを教えていただきました。今回の参加者は自ら積極的にお米農家になることを志した学生さんが多く、就農意欲が非常に高い傾向があります。そのため、お米が美味しく加工されることに強い興味を抱いているようでした。「焼き方や粉の惹き方で食感大きく変わることが面白い」「岩塚製菓のお米に対する強いこだわりを感じられた。衛生面の徹底ぶりに驚いた」「製造量に圧倒された」「お米は炊いて食べるだけでなく、おせんべいに加工されるお米を作るのも良いものだと思えた」「おせんべいをもっと食べたいと思った」といった声を聞かせていただきました。

実際に、今回の栽培実証のお米を中心となって作っていただく大野さんは「農業に携わる身として『材料より良いものはできない』という岩塚製菓の思想には身が引き締まる思いだった。美味しい加工品を作るためにも、良い農産物を作りたいと感じた」とコメント。また引率した先生からも「生産者からのバトンがつながっていく工程を感じられて、学生の意欲が高まる経験となった」と感想をいただき、岩塚製菓の社員一同、意義深い工場見学になったと感じることができました。
大野さんの目標は、昨年の先輩の収量を上回る11俵のお米を作ること。来る作付けシーズンへ向けて、やる気は十分です。