Challenge

#15【岩塚製菓の仲間を紹介】
さっくりジューシーな手作りかりん糖の老舗
田辺菓子舗

岩塚製菓のグループ会社に美味しいかりん糖の老舗があることをご存知ですか? 
新潟県加茂市にある田辺菓子舗は、創業時から変わらない製法でサクサクジューシーなかりん糖を作り続けています。ここでは、知る人ぞ知る銘菓の老舗を紹介します。

愛され続けて1世紀。北越の小京都加茂の和菓子店

田辺菓子舗は1927年(昭和2年)に、田辺石太郎氏によって創業されました。当時は、冠婚葬祭に用いられる引き菓子が主力商品で、お客様は地域住民の皆様が中心。北越の小京都と呼ばれ、江戸時代の文化が色濃く残る加茂において、伝統的な菓子を扱う店の一つとして繁盛していました。

1987年(昭和62年)に田辺功一氏が事業を継承し二代目経営者となると、それまでも数ある商品の一つとして販売していたしっとり食感のかりん糖を主力商品として打ち出していくようになります。かりん糖といえば、硬いのが当然。しっとり食感のかりん糖は話題となり、テレビや雑誌でしきりに取り上げられるようになりました。

しっとり食感のかりん糖の人気は一時期のブームでとどまらず、安定した人気を得られるようになったことから、田辺菓子舗は2005年(平成17年)にかりん糖の製造に事業を特化。かりん糖の専門店になりました。

そしてさらに安定した事業継続のために2015年(平成27年)に岩塚製菓の仲間入りをします。

職人が一本一本揚げている特大のかりん糖

田辺菓子舗のかりん糖は、長さおよそ10〜11センチ。通常のかりん糖の4,5倍の大きさがあります。上質な水飴と黒蜜を使用しているため、表面はサクサク、中はとってもジューシーでホクホク。それでいて優しい口溶けであるため、次々と手が伸びてしまうかりん糖です。

繊細で柔らかな生地を使い、大きく長く揚げる工程は熟練の腕が必要。機械化することができないため、このかりん糖は創業時から変わらず、今でも一本一本職人が手作業で揚げ、黒蜜に浸しています。美味しさにこだわったらおよそ1世紀にわたって続く製法が守られることになりました。

田辺菓子舗のかりん糖がこれほどユニークな理由は、このかりん糖が創業者の遊び心で生まれたからです。小京都・加茂には伝統的な和菓子店がたくさんあったので、そのなかで個性を発揮するためには、何かインパクトのある商品を開発しなければなりませんでした。そこで、「人がたまげるものをつくりたい」(二代目談)と異様に大きなかりん糖を作ることになったのです。

大きなかりん糖は、大きな口でかぶりつけるために食体験もユニークに。唯一無二の美味しい商品になりました。

新潟・加茂の名物に

こうしてできた田辺菓子舗のかりん糖は、やがて地元の名物になっていきます。加茂の人々が贈答品に用いたり、旅行者がお土産品として購入していくことから、今やすっかり加茂や新潟を代表する銘菓になりました。知る人ぞ知る新潟土産として、物産館やサービスエリア、道の駅などに置かれるようにもなったのです。

しかしながら、今や多くの老舗が抱えている後継者不足の問題に、田辺菓子舗も悩むことになりました。受け継がれてきた製法を途絶えさせてしまうことを多くの人が残念がっていましたが、ふとした縁で岩塚製菓と出会い、子会社となることで事業を存続させる可能性が現れてきました。

田辺菓子舗と岩塚製菓は「良い材料からしか良い商品はできない」という共通の思いをもっていたこと、ともに地元新潟のためになることをしたいという思いがあったことから通じ合うことがあり、ともに手を組むことを決定。田辺菓子舗は岩塚製菓のグループ企業として、これまで以上にさまざまなシーンでかりん糖を販売できるようにもなりました。

作りたてを食べてほしい

田辺菓子舗のかりん糖は、販売店の発注を受けてから生産数を決定しています。賞味期限は90日ですが、とびきり美味しいのは製造から2、3日の間。この間にできるだけご賞味いただきたいと、できるだけ在庫を持たない生産スケジュールを立てています。

一方で、持続可能な社会の形成のためには美味しさを保つ工夫も必要。2022年の春にはより美味しさを長続きさせられるパッケージにリニューアルしました

疲れたときにはかりん糖!

田辺菓子舗のかりん糖にはミネラル豊富な黒蜜を使用しています。だから、疲れたときのリフレッシュにぴったり。意外に思われるかもしれませんが、ブラックコーヒーとの相性が抜群であるため、コーヒー党の皆様にもおすすめです。
後を引かない優しい甘さなので、日頃甘い物を召し上がらない方もぜひ一度試してみていただきたい味です。

これからも地域とともに

2027年に創業100周年を迎える田辺菓子舗。これからも地域に根付き、地域の皆様とともに時を刻んでいきます。ときには新潟のフェアなどを通して、地域の魅力を全国の皆様にお伝えするお手伝いもしたいと考えています。
これからも田辺菓子舗を、そしてたなべのかりん糖をよろしくお願いします。

田辺菓子舗http://tanabekashiho.jp/