Challenge

#06 社員の失敗からロングセラーが誕生。
赤ちゃんも食べられるおやつはこうしてできた!

岩塚製菓のロングセラーアイテム「岩塚のお子様せんべい」。半世紀以上にわたりたくさんのお子様を笑顔にしてきたこの商品は、実はある偶然から生まれました。皆様に優しい安全・安心なおやつには岩塚製菓の挑戦的なスピリットがよく顕れています。

ある社員の失敗から生まれた、口の中で溶けるせんべい

通常、せんべいの加工は原料である米を水に浸す「浸水」という工程から始まります。1960年代のまだ日本のものづくりがおおらかな雰囲気の中で行われていたころ、岩塚製菓のある社員がこの「浸水」の工程中に持ち場を離れて帰宅してしまうという出来事がありました。

当の社員は翌日、浸水をしすぎたことに気がつきましたが、普段どおりの手順でせんべいを焼き上げます。できあがったのは普段のせんべいとは似ても似つかいない代物。軽い食感で、口のなかに入れるとふわっと溶けてしまうようなせんべいができあがりました。

社員はこのせんべいを「失敗」として上長に告げましたが、試しにこのせんべいを食べてみた上長は「これは売れる」と直感。当の社員に経緯を問い、製品化へと乗り出したのです。

当初は「ソフトせんべい」として発売

このように生まれた製品は当初は「ソフトせんべい」として売り出されました。これまでにない軽い食感とふわっとした口溶けは好評を博しましたが、岩塚製菓はさらなる検証で面白い事実を発見しました。ソフトせんべいは他の米菓に比べてでんぷんの消化吸収率が高かったのです。さらに、実際に小さなお子様も「ソフトせんべい」を召し上がっているという話も聞こえてくるようになったため、今度は改めて「ソフトせんべい」を赤ちゃん向けに開発。赤ちゃん好みのほんのり甘いせんべいにして発売を始めました。これが「岩塚のお子様せんべい」です。

また市場で確固たる需要を確立した「岩塚のお子様せんべい」に続くアイテムとして、1987年には「がんばれ!野菜家族」を、2015年には「がんばれ!小魚家族」を発売しました。これらの商品はよりお子様が持ちやすい形状にし、さらにお子様の成長に欠かせない原材料を添加することで高まる健康需要にも対応しました。

安全と安心、そして美味しさへの徹底したこだわり

「岩塚のお子様せんべい」は偶然から生まれたアイテムではありますが、安定した品質の商品は偶然では生まれません。

小さなお子様の口に入る食べ物として、当然安全には万全を期しています。具体的には、原材料である米のトレーサビリティを確保していることに加え、自社内で放射線量のチェックも行っています。また工場内の衛生管理や異物混入防止対策も当然のこととして実施しています。

美味しさへのこだわりは、精米したての国産米を100%使用することで実現しています。工業用の米粉ではなく、一般家庭に届くご飯と同等品質の米を仕入れて加工することでお米の風味豊かなせんべいが出来上がるのです。

美味しいお子様せんべいを作り続ける責任

小さなお子様を対象にした商品であるため、「岩塚のお子様せんべい」は売場で目立つ大ヒット商品というわけではありません。しかしお子様の小腹を満たすため、ご機嫌を取り戻すため、お子様の気を引き親御さんのほっと一息つける時間を作り出すために、「岩塚のお子様せんべい」はご支持をいただき続け、今に続くロングセラーアイテムとなりました。

私たち岩塚製菓はこれからもお子様せんべいを作り続ける責任があります。「お子様せんべい」を通じて次世代を担うお子様に米の美味しさを伝え、味覚を育み、米文化の継承にも役割を果たしていきます。

岩塚のお子様せんべいの製造工程や歴史については、下記のサイトでも紹介しています。

ファンサイト「おこせん」
おこせんができるまで
https://okosen.com/contents/special/vol_01.html
おこせん誕生秘話
https://okosen.com/contents/special/vol_03.html