Challenge

#18 変わらぬ味でロングセラーに。
岩塚製菓の伝説をつくった「味しらべ」

「味しらべ」は、岩塚製菓を代表するロングセラー商品のひとつです。

「子どものころによく食べた!」「おばあちゃんの家にもあった」「優しくて奥の深い甘じょっぱさがたまらない」。「味しらべ」を食べた方々からはそのような声が聞こえてきます。「味しらべ」はなぜこんなにも長い間、多くの方々に愛されてきたのでしょう。「味しらべ」の魅力と歴史を紐解きます。

舌の上でなめらかに溶け出す甘じょっぱい粉と日本のお米100%の生地

「味しらべ」最大の特長はなんといっても、舌の上で溶け出していく甘じょっぱい味わい。粒の細やかなグラニュー糖と粉末醤油が溶け合うことで、繊細かつ奥行きのあるおいしさを生み出しています。「しょっぱさ」は塩ではなく粉末醤油で構成されているので、味のベースとなるコクもしっかり感じられます。

もちろん、美味しさの理由はおせんべい生地にも。岩塚製菓の他のおせんべいと同様に、「味しらべ」にも日本のお米を100%使用。製造の直前に精米し、自社工場で丁寧に加工しているのでお米本来の味をご堪能いただけます。
お手元に「味しらべ」がある方は、ぜひ一度おせんべいの香りを嗅いでみてください。醤油の香ばしい香りの合間に、お米の柔らかで甘い香りを感じることができるはずです。

甘じょっぱ味のパイオニア

「味しらべ」が登場するまで、ソフトタイプのおせんべいといえばサラダ味(油分と塩気を感じられる味)が中心でした。「味しらべ」のような甘じょっぱい味のおせんべいは、甲信地方の一部でしか食べられていなかったのです。
そのため、「味しらべ」は1978年(昭和53年)の発売当初はあまり市場に受け入れられませんでした。それでも「味しらべ」の美味しさに確信を抱いていた岩塚製菓社員は、なんとか支持を得る方法を考えます。

どうすれば、「味しらべ」が受け入れられるのか。社員が売場での様子をよくよく見てみると、どうやら人々は当時大袋に入っていた「味しらべ」が湿気でべたべたになってしまうことを敬遠しているようでした。
そこで販売の方法を今の2枚ごとの個包装に変更。湿気てしまうという問題が解決されると、美味しさが人々の間で伝わり、「味しらべ」は空前の大ヒット商品となったのです。

「味しらべ」がおばあちゃんの家にあった理由

現代の若い方はよく「『味しらべ』はおばあちゃんの家にあった!」とおっしゃいます。そうでなくても、「味しらべ」にはどこか懐かしさを感じる方が少なくないよう。実はこれには理由があるのです。
「味しらべ」は1978年(昭和53年)に発売をスタートし、その後の1980年(昭和55年)〜1981年(昭和56年)年には売上が最高潮となります。作っても作っても生産が間に合わず、岩塚製菓は「味しらべ」のために新たな工場を2棟も建てるほど。このときから「味しらべ」は多くの人に愛されるお菓子になっていきます。
「味しらべ」が最もよく売れた時期にスーパーマーケットでよく買い物をしていた方々は、2022年現在60代後半以上。そのときからずっと「味しらべ」を支持してくださっているのであれば、今の若い方々にとっては「おばあちゃんの家にあったお菓子」ということになるのです

当時の工場の様子

挑戦し続けるロングセラー

変わらぬ味で人気の「味しらべ」ですが、実は期間限定のフレーバー商品も続々と展開しています。季節を感じられる限定商品のほか、ちょっと驚きの新発想フレーバー商品も発売。その度にうれしい驚きや季節の移ろいを感じる喜びを提供しているのです。近年の人気作は、冷え込む季節に登場したコーンポタージュ味や、春を感じられる梅味、香ばしい味わいで夏を満喫できる焼きとうもろこし味など。「味しらべ」はロングセラーの地位におごらず、挑戦を続ける商品なのです。

美味しく、楽しく、親しみやすく。岩塚製菓はこれからも甘じょっぱくてお米本来の美味しさも感じられる「味しらべ」をお届けしていきます。