Challenge

#37
お米づくりのこと
一等米で目標達成!
2年目の新潟県農業大学校共同プロジェクト
新潟県農業大学校の学生さんと共同し、「ゆきん子舞(うるち米)」で環境に配慮した多収栽培を目指すプロジェクト。2年目となる今年は、全国的に厳しい暑さと水不足が心配されましたが、学生さんの努力が実り全量一等米で目標の収穫量を上回る結果となりました。ここでは、8月末に行われた稲刈りの様子を紹介します。
▽ 2025年の田植えの様子
日本の米づくりを守り、未来につないでいくために。新潟県農業大学校との挑戦が2025年もスタート
https://www.iwatsuka.jp/quality/challenge/vol34/
水不足の影響はなし。異常な高温にも工夫と努力で乗り切った。

対象となった田んぼの稲刈りが行われたのは8月28日。空はすっきりと晴れわたり、気持ちの良い天気となりました。実証圃場で栽培していた「ゆきん子舞」は早生品種であるため、収穫の時期はやや早めです。

今季は全国的に水不足となりましたが、新潟県農業大学校の圃場は低平地にあり、水が集まりやすい環境にあることから大きな影響を受けずに済みました。
高温障害については、岩塚製菓用のお米作りを担当した学生の沼尾さんが、鶏糞の使用量を増やして初期の成育を促進したり、高温となった時期には適切に水を管理したり、生育状況に応じて追肥をするなどの対応を行ったため、収量において問題は発生しませんでした。
肥料として使用した鶏糞は、一度撒いてしまうとどんどん分解が進んでしまうため、有効に活用できるよう、栽培管理には工夫が必要だったそうです。

沼尾さんは、収穫前の田んぼを見渡し「今年は去年より生育がいいし、慣行栽培と比べても少し穂数が多いのでうまくいったのではないか」とコメント。まだ扱い慣れないコンバインを必死に操作して収穫に臨みました。

産学連携で、日本の農業の未来を支えたい。

収穫に際して新潟県農業大学校の渡部浩校長は「今年度は高温が続き、収量や等級が悪化するのではないかと心配していましたが、みんなの努力により目標を上回る成果が出そうです。さまざまな品種の栽培に挑戦してもらうこともできました。令和の米騒動など、米作りに対して不安が残るなかで学生たちは社会に出ていくことになりますが、一つひとつの成果や気付きを糧にして頑張っていってくれることを期待しています」と述べました。

今年度のゆきん子舞は、10a(アール)当たり622.8kgと目標値の600kgを達成。さらには全量一等米と、努力が実った結果となりました。
この「ゆきん子舞」は乾燥させた後、籾すり・選別をして岩塚製菓に納入されます。10月中旬には岩塚製菓の工場内で加工され、「味しらべ」となって皆様や学生さんたちのところへ届けられる予定です。
岩塚製菓は、美味しい米菓を作るために必要な条件は「米、技、心(原材料、加工技術、人材)」だと考えています。学生さんたちが丹精込めて作ったお米は、きっと良い「米」であるはず。岩塚製菓は大切に作っていただいたお米を確かな技術と、誠実な心で加工していきます。
渡部校長は今回の取り組みに対して「生産から加工・販売まで一連の流れに関わることは貴重な経験です。よりよい学びの場をいただいていることに感謝しています」と述べてくれました。
沼尾さんも「自分の作ったお米が美味しいおせんべいになるのが楽しみです。4ヵ月苦労しながら作ったお米なので、皆様にもたくさん食べて欲しいと思います!」と思いを寄せてくれました。
岩塚製菓は今後も、新潟県ひいては日本の未来の農業を守るため様々な取り組みを通じて、若手農業者を応援していきたいと考えています。