Challenge

#29 天神谷にも実りの秋!
8年目も無事に自然栽培米を収穫

岩塚製菓はJAえちご中越、地元の農業法人有限会社ファームリンクルと協力し合いながら、本社の近くにある天神谷でお米の自然栽培を続けています。2017年に開始したこの取り組みは、2024年で8回目となりました。

農薬や除草剤はもちろんのこと化学肥料も使用せず土地の力のみで育てる自然栽培米は、年数が経つにつれて田んぼの栄養が少なくなり難易度が上がっていくといわれています。いよいよ厳しくなるかと思われた天神谷での自然栽培ですが、今年も無事に収穫をすることができました。

美しく実った天神谷の稲穂

冷涼な天神谷では例年通り高品質なお米に

2024年の収穫時も新聞社やテレビ局などの取材が行われました

2023年は酷暑と水不足が新潟県内を襲い、各地でお米の品質の低下が確認されました。
2024年8月には都心部のスーパーマーケット等を中心に「令和の米騒動」が起き、お米の収穫量や品質については注目が集まっていたなかでの果報に、関係者一同は安心して自然栽培米の収穫の時期を迎えました。

岩塚製菓が自然栽培を行っている天神谷は冷たい湧き水が流れ込む田んぼであることに加え、山を降りてきた冷涼な風が吹き込むため、酷暑による品質低下の心配は大きくありません。また水も流れ込むために水不足にも悩まされることはありませんでした。
恵まれた環境下にある天神谷では、他地域が苦戦した2023年にも1等米を収穫できています。そのため2024年も高品質なお米が収穫できるのではないかと期待されていました。
一方で、自然栽培は化学肥料を使わないために、年々作付条件は厳しくなるといわれています。自然の力だけでどこまで質の高いお米を収穫できるのかは、収穫してみるまでわかりませんでしたが、実際に刈り取ったお米は昨年同様、粒が揃ったきれいなお米でした。

ぬかるみの中での収穫、新入社員が手刈りに挑戦!

ぬかるみのなかでの稲刈りは容易ではありません。皆、慎重に身体を動かします。

2024年の自然栽培米の収穫日は10月2日。冷涼な天神谷では他地域と比べて稲の成長に時間がかかるため、早生であるコシヒカリであっても刈り取り時期がやや遅くなる傾向があります。
前日の雨で収穫の日を迎えても田んぼのなかの水は捌けきらず、刈り取りはぬかるみのなかで行われました。コンバインも導入しましたが、あえて一部は手作業で臨み、身体を動かすことで稲作の大変さや収穫の喜びを味わいました。足元をとられないよう、また稲穂を水に浸さないよう、参加者一同は慎重に作業に臨みます。田んぼのなかには稲よりも雑草の方がよく茂っている場所があり作業者の手を煩わせましたが、鎌が稲に当たる刈り取りの音は小気味がよく、一同は収穫の喜びを分かち合いました。

甘みの際立つ天神谷の自然栽培米をブランドに

自然栽培8年目も美味しいお米が穫れました!

最終的に、2024年の天神谷では55アールの田んぼから480kgのお米を穫ることができました。今年も評価は1等米でした。心配された品質の低下はなく、厳しくなりつつある栽培条件を乗り越え、8年目も無事に美味しいお米を収穫することができました。今年は、岩塚製菓グループの里山元気ファーム・新潟味のれん本舗で販売する予定です。

お米にこだわる岩塚製菓

刈り取った稲

岩塚製菓の自然栽培米への取り組みについて、2024年に新卒で入社した社員はこう話します。
「美味しいおせんべいを作るために、お米のことから真剣に考えている岩塚製菓を誇りに思います」
「稲作に実際に携わってみてお米がどのように育ち、私たちのところへ届けられるのかよくわかった。お米を扱う企業として大切なことを知りました」
「農業は自然を相手にする仕事。その大変さがわかり、農家の方への尊敬の気持ちが増しました」

「原材料より美味しいものはできない」という岩塚製菓の精神を守っていくためには、お米にこだわり、産地や農家の皆様を大切にしていかなくてはなりません。
岩塚製菓の核となっている考え方は無事に若手社員にも受け継がれていったようです。

岩塚製菓はこれからも「お米となかよし」な企業として、産地を守り、お米の価値向上へ向けた取り組みを続けていきます。