Challenge

#09 もっと食べよう、国産米!

岩塚製菓が米菓の生地に100%使用している国産米は、生産者の皆様が熱い思いを抱いて生産しているものです。近年の国産米は味が多様化しているだけでなく、より健康を意識して作られているものも少なくありません。知られざる国産米の魅力を米の専門家である芦垣裕さんに教えてもらいました。

お話しいただいたのは……芦垣裕さん
米・食味鑑定士 / 水田環境鑑定士 / 調理炊飯鑑定士 / おこめアドバイザー

味しい国産米とは

私は米の美味しさを評価する米・食味鑑定士として活動していますが、米の美味しさを測るのは実に難しいと日々感じています。

例えば、香りが強くコシの強い米と柔らかく甘みが濃厚な米があったとき、どちらが美味しいと感じるかは好みの問題であり、一様に優劣をつけることはできません。そのため私は基本的には味のバランスがとれているものを皆様におすすめするようにしています。

味が多様であることも国産米の魅力

日本の米は、粘りと甘みが強いコシヒカリや、さっぱりとしたササニシキ、食感が楽しいひとめぼれやあきたこまちのように品種ごとに異なる味わいを楽しむことができます。もっとマニアックな楽しみ方をしようとすると、生産地や生産者によって異なる味を食べ比べてみることもできるんです。

米は工業製品ではなく農作物ですから、水分量や粘り気など日々刻々と変化しています。研ぎ方や炊き方によって味わいは大きく変わるため、本当に美味しいご飯を食べるためには、お米の様子をしっかりと見極めることが大切です。

岩塚製菓はさすがは米菓の専門メーカーで、その見極めがしっかりとなされていると感じます。

熱い想いをもった全国の生産者たち

私は全国に米の生産者の知人がいますが、その多くが「消費者の皆様に美味しいお米を味わってほしい」と考えています。最近では食の安全も考慮し「食べて健康になれる米をつくりたい」という人も少なくありません。米を食べることによって身体の中をきれいにすることはできないか、と生産方法を見直しています。

また環境負荷が低い米づくりに関心を持つ人も少なくなく、なかには自然栽培米や減農薬栽培で育てたお米を岩塚製菓に卸している農家さんもいらっしゃいます。30年以上無農薬で米を育てている農家さんの稲は茎がとても太く、食べたら元気をもらえそうでした。

田んぼを守ることは暮らしを守ること

最近は米の消費量が減ったため、家畜の餌にする飼料米をつくる農家さんが少なくありません。しかし農家の皆様は、やっぱり人が食べて「美味しい」と思ってもらえる米を作りたいという気持ちがある。その想いに応えるためには米の消費量を増やしていかなくてはなりません。

米の消費量を増やし、田んぼを守っていくことは農家さんだけでなく、私たちの暮らしを守ることにもつながります。岩塚製菓のある新潟県には美しい棚田があります。棚田はダムの役割を果たしており洪水や土石流といった災害を防ぐ機能があります。日本は災害の多い国と言われますが、田んぼによってそれらを減らしていくこともできるのです。